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2025年下半期読書アンケート,図書新聞, 3716号,2025年12月20日

2025年度下半期読書アンケート

①山本理顕、山本理顕 コミュニティと建築、平凡社。②竹山聖、JOIN-竹山聖+設計組織アモルフの仕事、Poesy Press。③平田晃久、建築は響きのなかに現れる、王国社。④ジョン・F・C・ターナー、ハウジング・バイ・ピープル<居住の自律>を取り戻す、岡部明子・面川厚輝訳、慶應義塾大学出版会。

梅田スカイビル、新京都駅ビル、札幌ドームで知られる日本を代表する建築家、原広司が亡くなったのは今年1月である。①②はその原広司研究室出身の建築家の「作品集」である。①は、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞し(2024年)、自ら設計した横須賀美術館で開催された「山本理顕展 コミュニティと建築」に合わせて出版された。その軌跡は圧巻である。②は、竹山聖のこの15年の珠玉の作品を中心に設計組織アモルフの半世紀にわたる活動の集大成である。建築理論家として知られた原広司の正統な後継者としての濃厚な建築論が展開されている。③は、その竹山聖の薫陶を受けた、「太田市美術館・図書館」「東急プラザ原宿・ハラカド」などで注目されるようになった新進気鋭の建築家による初の建築論集である。作品に即して書かれたエッセイ風の論考であるが,一貫して理論的展開を積み重ねる過程を追うことが出来る。

④は、1970年代以降の世界中の人間居住問題へのアプローチに多大な影響を与えた著書の翻訳である。1976年に書かれた原著を何故今邦訳するのか。そこには「住宅を人びとの手に」という訳者のグローバルな居住問題への状況認識がある。山本理顕は、プリツカー賞受賞以後、世界中の「スラム」と呼ばれる貧困の居住地を飛び回りつつある。筆者は,⑤持続可能な地球をデザインせよ! 建築と都市の未来、柏書房、を上梓した。

                    布野修司(都市建築批評)

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