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日本のアーティストは日本の近い過去にどう応答したのか?

Memory and Silence in Japan

How do Japanese artists respond to Japanese recent past?

『都市美』創刊第1号, 2019 08

https://drive.google.com/file/d/1WngBKvTxEMHReaB-7BVV71gfyD5Bsyb9/view?usp=drive_link

「記憶と沈黙」

訳者まえがき

布野修司

 特発性間質肺炎という原因不明の難病に襲われ苦しんできた筆者は、1919年7月以降、肺移植のためのドナー待ちの状態であったが、その機会を得ることなく、何度目かの気胸を発症、帰らぬ人となった(12月5日)。40歳になったばかりで、「息をするのが苦しいから、このまま眠って2年後に目が覚めて生きていたい」というのが最後の言葉であった。

 筆者の残した文章を整理するなかで、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジに提出した修士論文(美術史)を読み直して、その鮮烈な問題意識と実にロジカルな論の組み立てに感銘を受けた。とりわけポストメモリーという概念に衝撃を受けた。原文は、見出しも注もないエッセイの形式であったが、できるだけ多くの人に読んでもらえればと翻訳を思い立ち、英文とともに冊子のかたちに一気に仕上げた。そして、若い頃から親しくしてきた山本理顕さんにも送ったところ、本誌創刊号に掲載して頂く運びとなった。望外のことであり、故人も喜んでいると思う。

 本論の射程と深度は深い。日本においてポストメモリー論として深めるべきは「第二次世界大戦」の「記憶と沈黙」である。2003年の段階での本論の提起は驚きである。訳者としても、ヒロシマ・ナガサキとフクシシマ、大東和共栄圏(想像の共同体とコミュニティ)と建築などをめぐって本格的に考えてみようと思う。

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