カンポンの世界から日本の住居を考える,日大理工・山本理顕「建築学特別講義」 2011年9月30日

https://drive.google.com/file/d/17PBzfzAI6NyvjuntRGTVuvxXBxmBy4gS/view?usp=drive_link

日大理工・山本理顕「建築学特別講義」 20110930:山本・布野・大月敏雄

カンポンの世界から日本の住居を考える


 カンポンkampungとは、インドネシア(マレーシア)語で「ムラ」という意味である。カンポンガンというと「イナカモン」というニュアンスである。都市の居住地なのにカンポンという。そして、このカンポン、実は、英語のコンパウンドcompound(囲い地)の語源という説がある。カンポンのあり方を紹介する中で日本の住居のあり方を考えたい。

研究経緯

Ⅰ 地域の生態系に基づく住居システムに関する研究

Ⅱ カンポン調査 (東南アジアの都市と住居に関する研究)

『インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究—ハウジング計画論に関する方法論的考察』(東京大学),1987年 Ph.D Thesis:Housing Theory ハウジング計画論: スラバヤ・エコハウス→環境建築学:

Ⅲ アジア都市組織研究

    イスラームの都市性研究:『曼荼羅都市』:『ムガル都市』:『Stupa & Swastika』

Ⅳ 植民地都市研究

Ⅴ Town Architect (Community・Architect)論 

  京都CDL    近江環人地域再生学

主要関連著書

[1] 戦後建築論ノート,相模書房,1981年6月

[2] スラムとウサギ小屋,青土社,1985年12月

[3] 住宅戦争,彰国社,1989年12月

[4] カンポンの世界,パルコ出版,1991年7月

[5] 戦後建築の終焉,れんが書房新社,1995年8月

[6] 住まいの夢と夢の住まい・・・アジア住居論,朝日新聞社,1997年10月

[7] 廃墟とバラック・・・建築のアジア,布野修司建築論集Ⅰ,彰国社,1998年5月

[8] 都市と劇場・・・都市計画という幻想,布野修司建築論集Ⅱ,彰国社,1998年6月

[9] 国家・様式・テクノロジー・・・建築の昭和,布野修司建築論集Ⅲ,彰国社,1998年7月

[10] 裸の建築家―タウンアーキテクト論序説,建築資料研究社,2000年3月10日

[11] 曼荼羅都市―ヒンドゥー都市の空間理念とその変容,京都大学学術出版会,2006年2月

[12] 建築少年たちの夢 現代建築水滸伝、彰国社、2011年6月

[13] 布野修司編,『世界住居誌』,昭和堂,2005年12月:『世界住居』胡恵琴訳、中国建築工業出版社、2010年12月

[14] 布野修司監訳:生きている住まいー東南アジア建築人類学(ロクサーナ・ウオータソン著 ,アジア都市建築研究会,学芸出版社,1997年3月

[15] 布野修司+安藤正雄監訳:植えつけられた都市 英国植民都市の形成,ロバート・ホーム著:アジア都市建築研究会訳,京都大学学術出版会,2001年7月

[16] 布野修司編+アジア都市建築研究会:アジア都市建築史,昭和堂,2003年8月: 『亜州城市建築史』胡恵琴・沈謡訳、中国建築工業出版社、2009年12月

[17]布野修司編:『近代世界システムと植民都市』,京都大学学術出版会,2005年2月

 [18] Shuji Funo & M.M.Pant, Stupa & Swastika, Kyoto University Press+Singapore National University Press, 2007

 [19] 布野修司+山根周,ムガル都市–イスラーム都市の空間変容,京都大学学術出版会,2008年5月

[20] 布野修司+韓三建+朴重信+趙聖民、『韓国近代都市景観の形成―日本人移住漁村と鉄道町―』京都大学学術出版会、2010年5月

Kampung。英語のコンパウンドcompoundはkampungが訛ったものである(OED.)

椎野若菜、「「コンパウンド」と「カンポン」—居住に関する人類学用語の歴史的考察—」、『社会人類学年報』、Vol.26、2000年

樹木で覆われた屋敷地が集まって、周囲を柵や土塁で囲われた住区がカンポンである。

人類学で一般的に用いられるコンパウンド、ホームステッド、セトルメント、さらにホーム、ハウスといった言葉を検討する中で、椎野若菜は、カンポンという言葉がコンパウンドに転化していく過程に西欧諸国の植民地活動があるとする[。すなわち、バントゥン、バタヴィアあるいはマラッカにおいて民族集団毎に囲われた居住地の一画を指してそう呼ばれていたのが、インドの同様な都市の区画も同様にそう呼ぶようになり(インド英語Anglo-Indian English)、カンポン=コンパウンドはアフリカ大陸の囲われた集落にも用いられるようになったというのである。

Kampungの世界

 1 多様性

 2 全体性

 3 複合性

 4 高度サービス社会:屋台文化

 5 相互扶助システム

 6 伝統文化の保持

 7 プロセスとしての住居

 8 権利関係の重層性

Learning From Kampungの世界

 Urban Involution

 Shared Poverty(貧困の共有)・・Resources, Environment, Nature

・・・Work Sharing

Kampung Housing System

  • カンポン固有の原理の維持
  • 参加
  • スモール・スケール・プロジェクト
  • 段階的アプローチ
  • プロトタイプのデザイン
  • レンタル・ルームのデザイン
  • 集合の原理の発見
  • ビルディング・システムの開発
  • 地域産材の利用
  • ワークショップの設立
  • 土地の共有化
  • ころがし方式
  • コーポラティブ・ハウジング
  • アリサンの活用
  • 維持管理システム
  • ガイド・ライン ビルディング・コード

Surabaya Eco-House

◇集住の論理    住宅=町づくりの視点の欠如 建築と都市の分離   型の不在 都市型住宅

◇歴史の論理     

  スクラップ・アンド・ビルドの論理 スペキュレーションとメタボリズム 価格の支配 住テクの論理 社会資本としての住宅・建築・都市

◇異質なものの共存原理 

  イメージの画一性 入母屋御殿 勾配屋根

 多様性の中の貧困 

◇地域の論理 

 大都市圏と地方 エコロジー

◇自然と身体の論理

  人工環境化 土 水 火 木

  建てることの意味

◇生活の論理

 住宅生産の工業化 住宅と土地の分離

  物の過剰 家族関係の希薄化

 住宅問題の階層化 社会的弱者の住宅問題

◇グローバルな視野の欠如

 発展途上国の住宅問題

◇体系性の欠如(住宅都市政策)

51Cは呪縛か? 集合住宅の戦後~現代を探る 上野千鶴子・鈴木成文

布野・司会メモ

基本テーマ

これからの日本の(集合)住宅がどうなっていくのか(あるべきか)

日本の家族がどうなっていくのか(あるべきか)

  • 51Cという(標準)住居モデルが戦後日本の住居のあり方を規定してきた→それは問題ではないか?→それは何故か?
  • 近代家族の終焉→その行き着く先は
  • 型の提示を前提として、どのような住宅モデルがありうるのか。

→nLDKをいかにして潰すか

基層テーマ 

  • 空間は生活を規定できるのか? 生活と空間の対応 空間の型 空間帝国主義 計画学批判  家族を容れるハコ 家族を超えるハコ→ハコを超える家族?

住宅は空間化された家族の規範である。

51C批判: nLDK家族の崩壊・・・近代家族の成立と崩壊・・・家族像 家族形態の変遷?

近代家族はいつ成立したのか? その崩壊とは? 家族とは、 家族と世帯 家業・家名・家屋・家産・家計の共同 居住の共同(同火) 血縁の共同 →家族の多様化 近代家族のゆらぎ 女性(層)の変貌、一般化が成立しない 「家」の発明・日本型近代家族 近代家父長制 社会的構築物:核家族ではなく直系家族の形をとった 家内工業がベース 母系も末子相続もあった.家と国家 近代国民国家に適合的に形成された 忠孝一本イデオロギー 家族の民主化は達成された? 疑問 シャドウワーク:近代家族(落合恵美子)1家内領域と公領域の分離2成員相互の情緒的関係3子ども中心主義4性別分業5集団性の強化6社交の衰退7非親族排除8核家族 西川祐子9家族を統括するのは夫10この家族は近代国家の基礎単位をなす.戦前・戦後の連続性 父権支配→夫権支配 家父長制の連続性←世帯分離.ロマンス革命 母子の情緒的絆 世帯の自律性

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